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「日本人のBCG誘発ケロイド、9割以上が女性 小児期発症ケロイドに関する最大規模の報告」

ケロイドとは?

「ケロイド」とは、傷や切開部位などの皮膚の治癒過程で、過剰に線維組織が増殖して、盛り上がったような瘢痕(はんこん)を形成する症状のことを言います。通常の傷跡とは異なり、一度形成されたケロイドは自然に消えることはなく、炎症やかゆみ、痛みなどの症状を引き起こすことがあります。

ケロイドは、外科手術や火傷、けが、皮膚病などが原因で発生することが多く、発生する部位や大きさ、形状などは個人差があります。また、人種によってもケロイドができやすい傾向があり、アフリカ系の人やアジア人に多く見られます。

治療法としては、ステロイド注射やレーザー治療、手術による切除などがありますが、完全に治療できるわけではなく、再発することもあるため、早期の治療が重要とされています。

 

BCG(結核菌ワクチン)によって誘発されるケロイド瘢痕は、特にアジア人に多く見られるとされています。このため、日本でもBCG誘発ケロイドについての研究が進められていますが、小児期に発症するケロイドに関する報告はあまりありませんでした。

そこで、東京大学医科学研究所が中心となり、全国の小児科や皮膚科を中心に、小児期に発症したケロイドに関する最大規模の報告が行われました。この報告によれば、日本人のBCG誘発ケロイドの患者のうち、9割以上が女性であることがわかりました。また、ケロイドの多くは、BCG接種後1年以内に発症していることが分かりました。

さらに、この報告では、小児期に発症したケロイドが、成人期にも持続することが多いことが示されました。そのため、小児期に発症したケロイドの早期治療が重要であるとされています。

一方で、BCG誘発ケロイドについては、現在もその発症メカニズムが明らかになっていないため、予防方法や治療法についても限られた知見しか得られていません。今後の研究によって、BCG誘発ケロイドのメカニズムが明らかになり、より効果的な予防や治療方法が開発されることが期待されています。

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