歴史

アトピーはどこからやってきたのか【アトピーの起源】

アトピーの起源とは

アトピーが最初に発見されたのは、1908年にWerner Henrich Erasmusがドイツの医師として初めて報告したとされています。当時は「乾癬様過敏症」と呼ばれており、症状が乾癬に似ていることからこの名称がつけられました。

彼は、非感染性、かゆみを伴う慢性の皮膚疾患を研究し、その症状が家族内で見られることを発見しました。Hebraは、この病気を"Prurigo mitis"と名付けました。その後、Hebraの弟子であるKaposiが、この病気の一形態としてアトピー性皮膚炎を報告しました。アトピー性皮膚炎という用語は、1933年にWiseとSulzbergerによって提唱され、その後、1950年代になって一般的に使用されるようになったということです。

意外と歴史は古いようですね。アジア人に多いと言われるアトピーですが発見したのはドイツ人だったようです。

アトピーがなぜ起こっているのか?

アトピー性皮膚炎の遺伝子に関する仮説

アトピー性皮膚炎は、遺伝子によって引き起こされる可能性が高いとされています。遺伝子には多くの種類があり、それぞれがアレルギー反応を引き起こすことがあります。遺伝子に関連する遺伝子多型は、アトピー性皮膚炎の発症リスクを高めることが示唆されています。

特に、フィラグリン遺伝子の多型は、アトピー性皮膚炎の発症に関与することが知られています。フィラグリンは、角質層で重要な役割を担っており、皮膚バリア機能の低下によってアトピー性皮膚炎を引き起こすとされています。さらに、フィラグリン遺伝子の多型は、アトピー性皮膚炎の重症度や症状の長期化にも関与することが報告されています。

その他の遺伝子にも関与が指摘されています。例えば、IL-4受容体遺伝子、IL-13遺伝子、FCER1G遺伝子などがあります。これらの遺伝子は、アトピー性皮膚炎に関連する炎症反応やアレルギー反応に関与すると考えられています。

しかし、遺伝子の多型があっても、必ずしもアトピー性皮膚炎を発症するわけではありません。遺伝子の影響を受けやすいということはあっても、環境やライフスタイルなどの要因も影響するため、総合的な観点からアプローチする必要があります。

環境に関する仮説

空気汚染

一つの要因として挙げられるのは、空気汚染です。都市部では、交通量の増加や工場の排気ガスなどによって大気汚染が進んでいます。これらの微小粒子が皮膚に付着することで、アレルギー反応を引き起こす可能性があると考えられています。

食生活の変化

先進国では、加工食品やジャンクフードの摂取が増えています。これによって、必要な栄養素が不足し、アレルギー反応が起こりやすくなる可能性があります。

水道水の影響

水道水に含まれる塩素や硬度が高い場合、皮膚にダメージを与え、乾燥やかゆみの原因になることがあります。また、水道水に含まれる微量な有害物質が、アトピー性皮膚炎の発症リスクを高める可能性もあります。

ストレス

ストレスは、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させる可能性があります。仕事や学業のストレス、家庭内のトラブル、交通渋滞などが原因となって、症状が悪化することがあります。

毛髪や衣服などの刺激

毛髪や衣服による刺激は、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させる可能性があります。特に、合成繊維の衣服や柔軟剤による刺激が原因となることが多いです。

免疫反応に関する仮説

アトピー性皮膚炎は、免疫反応の異常によって引き起こされるという仮説があります。具体的には、アレルギー反応に関与するIgE抗体が過剰に生成されることが原因とされます。

IgE抗体の過剰生成

アトピー性皮膚炎患者には、通常の人よりもIgE抗体の産生が亢進していることが知られています。IgE抗体は、アレルゲン(花粉、ハウスダスト、食品などの物質)に過剰反応し、炎症反応を引き起こすことがあります。そのため、アトピー性皮膚炎患者は、通常の人よりもアレルゲンに過剰反応し、炎症を引き起こす可能性が高くなります。

Th2細胞の活性化

アトピー性皮膚炎では、Th2細胞の活性化が亢進することが知られています。Th2細胞は、IgE抗体を産生するために必要な細胞であり、その活性化が亢進することで、IgE抗体の過剰産生が引き起こされると考えられています。

炎症性サイトカインの過剰分泌

アトピー性皮膚炎では、炎症性サイトカインの過剰分泌が起こることが知られています。炎症性サイトカインは、炎症を引き起こす物質であり、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させる可能性があります。

栄養に関する仮説

アトピー性皮膚炎の患者は、食物アレルギーに対するリスクが高いことが知られています。そのため、栄養に関する仮説が提唱されています。例えば、ビタミンDの不足がアトピー性皮膚炎の発症に関与する可能性があると考えられています。また、オメガ3脂肪酸や抗酸化物質の摂取が、アトピー性皮膚炎の予防や治療に有効であるという研究もあります。

微生物に関する仮説

腸内に存在する微生物が、アトピー性皮膚炎の発症に影響しているという仮説もあります。腸内細菌叢が健全であることが、アレルギー反応を抑制する働きを持っていると考えられています。また、腸内細菌叢が正常でない場合、アレルギー反応を引き起こす物質の生成が亢進するとされています。そのため、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を含むプロバイオティクスを摂取することが、アトピー性皮膚炎の予防や治療に有効であるという研究が進められています。

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